遺留分
■遺留分
遺留分とは、一定の範囲の法定相続人に認められる、最低限相続することができる遺産の割合のことをいいます。遺言や贈与によって、法定相続人が一切遺産を相続することができないという事態を防ぐことで、法定相続人の利益を保護することが目的です。
・遺留分権利者
遺留分を有すると法律で定められているのは、子およびその代襲者、直系尊属、配偶者です(民法1028条)。もっとも、相続欠格・推定相続人の廃除・相続放棄を行って相続権を失った者は、遺留分権を失います。
・遺留分侵害額請求
配偶者や子等は、特定の相続人が遺産のすべてを相続した等、遺留分を侵害された場合には、その侵害した相続人について「遺留分侵害額請求」(民法1046条1項)を行うことができます。しかし、兄弟姉妹の相続人には遺留分が認められていないため、例えば被相続人の愛人が遺言により遺産のすべてを相続した場合であっても、遺留分侵害額請求をすることはできず、相続することができないということになります。
遺留分侵害額請求の期限は、遺留分権者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間以内です。
・価格弁償
2018年の法改正前は、現物返還主義が採用されており、遺留分権者は「遺留分減殺請求」をすることで、相続財産そのものに対する侵害額相当の物的権利を行使していました。そして、受贈者・受遺者は、例外的に、価格弁償をすることで現物返還義務を免れることができました。
もっとも、法改正後は、遺留分減殺請求は上記の「遺留分侵害額請求」となり、侵害額に相当する金銭を請求することができるようになったため、価格弁償での解決が原則となります。
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