相続財産調査を自分で行うメリット・デメリット
親族が死亡すると、被相続人が死亡した時点で有していた一切の権利義務が、相続人に包括的に承継されます。
もっとも、この承継は自動で行われるものではありません。
権利関係は潜在的には自動的に包括的に承継されているものの、残された方々が、その承継の対象となる被相続人の遺産に何があるのか調査を行ったうえで、遺産の承継と分割を行っていくことになります。
遺産には、預金や現金、不動産のように見つけやすいものから、株式や貸金債権など証書やメモなどがなければ存在に気が付けないもの、これらのプラスの遺産のほかに、借金などのマイナスの遺産も存在しています。
被相続人は、これらの遺産を網羅的に調査を行ったうえ評価額を算定して、目録を作成することになります。
そのうえで、単純承認、相続放棄、限定承認などの意思表示を行い、分割していくことになります。
このページでは、相続財産調査を自分で行うメリットとデメリットについてご紹介します。
相続財産調査を自分で行うメリットとデメリット
●メリット
・金銭面
専門家に財産調査を依頼すると、数万円から30万円程度の費用がかかるところ、自分で行えば、各種書類の発行手数料や、郵便小切手代などはかかりますが、これらで済ますことができます。
・タイムスケジュール面
自分のペースで相続財産調査を行うことでき、また、複数人で分担して行うことも可能となっています。
もっとも、相続があったことを知った日を起算として、限定承認等の意思表示を行うことができる期間制限があるため、あまりにゆっくりしている余裕はありません。
●デメリット
・時間と労力がかかる
被相続人の財産を探し出すためには、多くの機関(法務局や市区町村、銀行など)に協力してもらいながらリストアップしていく必要があります。
また、目に見えない財産については、これを可視化する書類がなければ探すことができず、被相続人の家の中を精査して、遺産を探し出さなければなりませんが、家の中の精査にも多くのリソースを割く必要があります。
・確実ではない
専門家に依頼をして相続財産調査や、評価額の調査を行う場合に比して、自分で行った方が相続財産のチェック漏れの危険性が大きいといえます。
被相続人の相続財産の調査は、被相続人が死亡した後でしかできないのが原則です。
被相続人から委任状を受け取っている場合や被相続人本人が行う場合には例外といえます。
専門家である弁護士には、弁護士会照会といった、資料を調査する権限が与えられており、個人が行うのに比して時間をかけることなく、調査を行うことができます。
相続問題にお困りの方は宇田法律事務所までご相談ください
以上のように、相続財産調査を自分で行うことにはメリットとデメリットがあります。
もっとも、弁護士に相談をすることで自分で相続財産の調査を行うにせよ、どのように進めればいいか、どこに遺産があることが考えられるかなど、相続財産調査を効率的に進めていくための助言を得ることが期待できます。
相続に関連してお困りの場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
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