不動産の売買契約における注意点とよくあるトラブル

不動産の売買は、高額な取引のひとつであり、その契約には多くの専門知識と注意が必要です。

ここでは、不動産売買契約における注意すべきポイントとよくあるトラブルについて考えていきます。

不動産の売買契約とは

不動産の売買契約とは、売主が不動産を買主に譲渡し、買主がその対価として売買代金を支払うことを約束する契約をいいます。

契約が成立すると、双方に契約内容を履行する義務が生じます。

売買契約時に注意すべき主なポイント

契約は、一度締結すると簡単に解除できないため、契約締結前に以下のポイントをしっかり確認することが重要です。

重要事項説明の内容

重要事項説明は、買主が契約内容を理解し、不利益を被らないようにするための非常に重要な手続きです。

具体的には、物件の所在地、面積、構造、築年数などの物件概要、都市計画法などの法令による制限、ライフライン、接道状況、マンションであれば管理費・修繕積立金・駐車場代などの費用の事項についての説明がなされます。

説明内容で不明な点や疑問に感じる点があれば、その場で質問し、納得できるまで確認することが重要です。

契約書の条項に不利・不明確な規定がないか

契約書が渡されたら署名押印する前に、契約不適合責任（引き渡された物件が契約内容に適合しない場合に売主が負う責任）の範囲と期間、物件の引渡しがいつまでに行われるのか、もし遅延した場合の違約金に関する規定があるかを確認します。

加えて、手付解除（手付金を放棄することで契約を解除できる条項）やローン特約（住宅ローンの審査が通らなかった場合に、契約を解除できる）の有無も確認すべきです。

不動産売買でよくあるトラブル

不動産売買では、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

事前によくあるトラブルを知っておくことで、対策を講じやすくなります。

仲介手数料のトラブルやローン不成立

仲介手数料の取り決めが曖昧でトラブルになるケースや、住宅ローンの審査が通らずにローンが不成立になったりするケースです。

契約時に仲介手数料やローン特約の定めを確認しておくことが肝要です。

境界や越境問題

土地の売買において、隣地との境界が不明確であったり、隣地の建物や樹木が敷地の境界を越えていたりするケースです。

このような問題は、隣地所有者との間でトラブルに発展しやすく、解決に時間がかかることがあります。

まとめ

不動産売買契約は、高額な取引であるからこそ、契約締結前にきちんと確認することがトラブル回避のために重要となります。

売買契約を締結する際に不安がある場合や、既にトラブルが発生してしまった場合は、ひとりで抱え込まず、早い段階で不動産売買に詳しい弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。